家庭用品の表示は、「家庭用品品質表示法」という法律によって取り決めがされています。繊維製品については、
「繊維製品品質表示規程」により表示方法が決められております。
この法律及び規程は、一般消費者が製品の品質を正しく認識し、商品の購入に際して不足の損失を被ることのないよう
事業者に表示の適正を求め、消費者の保護を目的として昭和37年に制定されたものです。
平成9年に法・規程の運用見直しが行われ、それまでは、表示者名に代えて品質表示者承認番号の付記も認められて
いましたが、その後は「表示者の氏名又は名称」及び「住所又は電話番号」の付記が義務付けられました。
同時に表示業者(例:日本被服工業組合連合会などの団体等)が製造業者等から委託を受けて表示することが
認められました。
|
|
|
家庭用品品質表示法及び関係規程は下図のように体系付けられています。
|
|
|
品 目 |
表 示 事 項 |
付 記 事 項 |
繊維の組成 |
家庭洗濯等
取扱い方法 |
撥水性
(注)@ |
表示者名 |
住所又は
電話番号 |
1.糸 (注)A |
○ |
× |
× |
○ |
○ |
2.織物、ニット生地、レース生地 (注)B |
○ |
× |
× |
○ |
○ |
3.衣料品等 (注)C |
|
|
|
|
|
(1) 上衣 |
○ |
○ |
× |
○ |
○ |
(2) ズボン |
○ |
○ |
× |
○ |
○ |
(3) スカート |
○ |
○ |
× |
○ |
○ |
(4) ドレス及びホームドレス |
○ |
○ |
× |
○ |
○ |
(5) プルオーバー、カーディガンその他セーター |
○ |
○ |
× |
○ |
○ |
(6)ワイシャツ、開襟シャツ、ポロシャツその他シャツ |
○ |
○ |
× |
○ |
○ |
(7)ブラウス |
○ |
○ |
× |
○ |
○ |
(8)エプロン、かっぽう着、事務服及び作業服 |
○ |
○ |
× |
○ |
○ |
(9)オーバーコート、トップ
コート、スプリングコート
レインコート、その他コート |
特定織物(注)Dのみを表生地に使用した和装品 |
○ |
× |
○ |
○ |
○ |
その他のもの |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
(10)子供用オーバーオール及びロンパース |
○ |
○ |
× |
○ |
○ |
(11)下着 |
繊維の種類が
1種類のもの |
なせん加工品 |
○ |
○ |
× |
○ |
○ |
その他 |
○ |
× |
× |
○ |
○ |
特定織物(注)Dのみを表生地に使用
した和装品 |
○ |
× |
× |
○ |
○ |
その他のもの |
○ |
○ |
× |
○ |
○ |
(12) 寝衣 |
○ |
○ |
× |
○ |
○ |
(13) 靴下 |
○ |
× |
× |
○ |
○ |
(14) 足袋 |
○ |
× |
× |
○ |
○ |
(15) 手袋 |
○ |
× |
× |
○ |
○ |
(16) ハンカチ |
○ |
× |
× |
○ |
○ |
(17) 毛布 |
○ |
○ |
× |
○ |
○ |
(18) 敷布 |
○ |
○ |
× |
○ |
○ |
(19) タオル及びてぬぐい |
○ |
× |
× |
○ |
○ |
(20) 羽織
及び
着物 |
特定織物(注)Dのみを表生地に使用した和装品 |
○ |
× |
× |
○ |
○ |
その他のもの |
○ |
○ |
× |
○ |
○ |
(21) マフラー、スカーフ、及びショール |
○ |
× |
× |
○ |
○ |
(22) ひざ掛け |
○ |
○ |
× |
○ |
○ |
(23) カーテン |
○ |
○ |
× |
○ |
○ |
(24) 床敷物(パイルのあるものに限る。) |
○ |
× |
× |
○ |
○ |
(25) 上掛け(タオル製のものに限る。) |
○ |
○ |
× |
○ |
○ |
(26) ふとん |
○ |
× |
× |
○ |
○ |
(27) 毛布カバー、ふとんカバー、まくらカバー
及びベッドスプレッド |
○ |
○ |
× |
○ |
○ |
(28) テーブル掛け |
○ |
× |
× |
○ |
○ |
(29) ネクタイ |
○ |
× |
× |
○ |
○ |
(30) 水着 |
○ |
× |
× |
○ |
○ |
(31) ふろしき |
○ |
× |
× |
○ |
○ |
(32) 帯 |
○ |
× |
× |
○ |
○ |
(33) 帯締め及び羽織ひも |
○ |
× |
× |
○ |
○ |
|
|
(注) @「はっ水性」の表示は、レインコート等はっ水性を必要とするコート以外の場合は必ずしも表示する必要はない。
Aその全部又は一部が綿、毛、絹、麻(亜麻及び苧麻に限る。)ビスコース繊維、銅アンモニア繊維、アセテート繊維、
プロミックス繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ポリ塩化ビニリデン系合成繊維、ポリ塩化ビニル系合成繊維、
ポリアクリルニトル系合成繊維、ポリエステル系合成繊維、ポリエチレン系合成繊維、ポリプロピレン系合成繊維、
ポリウレタン系合成繊維、ポリクラール繊維及びガラス繊維であるものに限る。
B1.糸に掲げる糸を製品の全部又は一部に使用して製造した織物、ニット生地及びレース生地
C1.糸に掲げる糸を製品の全部又は一部に使用して製造した繊維製品及び2.に掲げる織物、ニット生地又は
レース生地を製品の全部又は一部に使用して製造し又は加工した繊維製品(電気加熱式のものを除く。)であって
下記に掲げるもの。
D「特定織物」とは、組成繊維中における絹の混用率が50%以上の織物又はたて糸若しくはよこ糸の組成繊維が
絹のみの織物をいう。 |
|
このページのトップへ |
|
繊維の名称を示す用語は、規程(第6条)に定められた用語(指定用語)を使い表示することになっており、その内容は
次の表のとおりです。 |
|
繊維の名称 |
指定用語 |
綿 |
綿 |
コットン |
COTTN |
毛 |
羊毛 |
毛 |
羊毛 |
ウール |
WOOL |
アンゴラ |
毛 |
アンゴラ |
カシミヤ |
毛 |
カシミヤ |
モヘヤ |
毛 |
モヘヤ |
らくだ |
毛 |
らくだ |
キャメル |
アルパカ |
毛 |
アルパカ |
その他のもの |
毛 |
絹 |
絹 |
シルク |
SILK |
|
繊維の名称 |
指定用語 |
麻(亜麻及び苧麻に限る。) |
麻 |
ビスコ|ス繊維 |
平均重合度が450以上のもの |
レーヨン |
RAYON |
ポリノジック |
その他のもの |
レーヨン |
RAYON |
銅アンモニア繊維 |
キュプラ |
アセテ|ト繊維 |
水酸基の92%以上が酢酸化されているもの |
アセテート |
ACETATE |
トリアセテート |
その他のもの |
アセテート |
ACETATE |
プロミックス繊維 |
プロミックス |
ナイロン繊維 |
ナイロン |
ナイロン |
NYLON |
アラミド |
ナイロン |
NYLON |
アラミド |
ビニロン繊維 |
ビニロン |
ポリ塩化ビニリデン系合成繊維 |
ビニリデン |
ポリ塩化ビニル系合成繊維 |
ポリ塩化ビニル |
ポリエステル系繊維 |
ポリエステル |
POLYESTER |
|
繊維の名称 |
指定用語 |
ポリアクリルニトリル系合成繊維 |
|
アクリルニトリルの質量割合
が85%以上のもの |
アクリル |
その他のもの |
アクリル系 |
ポリエチレン系合成繊維 |
ポリエチレン |
ポリプロピレン系合成繊維 |
ポリプロピレン |
ポリウレタン系合成繊維 |
ポリウレタン |
ポリクラール繊維 |
ポリクラール |
ガラス繊維 |
ガラス |
炭素繊維 |
炭素繊維 |
金属繊維 |
金属繊維 |
羽毛 |
ダウン |
ダウン |
その他の羽毛 |
フェザー |
その他の羽毛 |
前各項上欄に掲げる繊維以外の繊維 |
「指定外繊維」の用語にその繊維の名称を示す用語又は商標を括弧を付して付記したもの
(ただし、括弧内に用いることのできる繊維の名称を示す用語又は商標は1種類に限る。) |
|
|
|
このページのトップへ |
|
繊維製品には、「縫い付けラベル」等に次の内容(主なもの)を表示しなければなりません。
@混用率の表示
製品に使用されている繊維ごとの、その製品全体に対する重量割合を%で表示します。
Aはっ水性
水をはじきやすい性質を必要とするレインコートなどの製品に表示します。
B取扱い絵表示
家庭洗濯等の取扱いに関する表示であり、日本工業規格L0217(繊維製品の取扱いに関する表示記号及び
その表示方法)に規定する記号を表示します。
C表示場所及び表示方法
表示場所及び方法には特別の形態はありませんが、「需要者の見やすい箇所に見やすいように表示すること」と
されています。
しかし、「取扱い絵表示」に関しては、「容易に取れない方法で繊維製品に取り付ける」こととなっています。
D表示者及び連絡先
表示には、「表示者の氏名又は名称」及び「住所又は電話番号」を付記することとされています。
|
|
|
一般的な表示の例を下記に示します。 |
|
|
|
このページのトップへ |
|
製造業者等から委託を受けて「表示業者」として表示を行うことが認められましたので、平成9年10月より
日本被服工業組合連合会(略称:日被連)では、表示に関する事業を行っています。 |
|
|
《略称:日被連品質表示者番号制度》 |
|
1.日本被服工業組合連合会(以下「日被連という。)の組織
日被連は、下記4地区組合で構成される団体
埼玉県被服工業組合 TEL:0485-61-1421 (埼玉県羽生市中央3−7−5)
大阪府被服工業組合 TEL:06-6533-1129 (大阪市西区立売堀1-3-13 第三富士ビル5F)
http://www.osaka-hifuku.or.jp/
岡山県アパレル工業組合 TEL:086-473-3411 (岡山県倉敷市児島駅前1-46 倉敷ファッションセンター内)
http://www.okayama-ap.or.jp/
広島県アパレル工業組合 TEL:0847-52-3344 (広島県福山市新市町新市31-1)
http://e-fuku.info/
|
2.番号の使用許諾
日被連は、希望者に対し審査の上、品質表示者番号使用許諾契約を締結し、登録番号の使用を承認する。
|
3.対象者
地区組合の組合員並びに員外。但し、企業並びに個人が対象であり、団体は対象外。
|
4.日被連の業務
(1)番号の使用許諾並びに登録番号の管理。
(2)消費者からの苦情・問い合わせに対する日被連の対応は、番号対応表示者名、住所、電話番号、受付部署の
回答のみであり、苦情・問い合わせに対する仲介、処理等は行わない。
(3)日被連業務の一部は、各地区組合が代行する。
|
5.番号を付した製品に関する責任
番号を付した製品に関する責任の一切は、番号使用者が負う。
|
6.表示形式
このページのトップへ
(1)日本被服工業組合連合会、地区組合電話番号、登録番号とする。
更に、会社名又はブランド名や会社の住所又は会社の電話番号の表示を希望される場合は、これらを
表示ください。 (下記表示例のとおり@、A、Bの表示があります。)
(2)登録番号は次のA、Bの2種類から選択する。1社でA、B2種類の使用は可能です。
A 通産省(現:経産省)承認番号を継承するもので、下記の表示があります。
A−1 通産省(現:経産省)承認番号とするもの : (例) C−○○ △△△△
A−2 「C−」省略したもの
: (例) ○○ △△△△
B 新番号 地区組合番号(注ー1) (1桁)−希望番号(4桁)
(例) ○ー△△△△
希望番号は、地区組合にて重複なきことを確認の上、決定する。
表示形式は下記の通り、9例の表示がありますのでご選択ください。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
(注ー1) |
新番号は、受付地区組合単位の数字(1、2、3、5、7)と4桁の数字の番号表示し、全国47都道府県を4地区組合
で担当しています。各地区組合の担当都道府県と数字は次の通りです。
|
地区組合 |
埼玉県被服工業組合 |
大阪府被服工業組合 |
岡山県アパレル工業組合 |
広島県アパレル工業組合 |
番 号 |
1 |
2 |
3 |
5 |
7 |
都道府県 |
北海道
青森県
岩手県
宮城県
秋田県
山形県
福島県
埼玉県 |
茨城県
栃木県
群馬県
千葉県
東京都
神奈川県
山梨県
長野県
新潟県
静岡県 |
石川県、富山県
福井県、岐阜県
愛知県、三重県
滋賀県、京都府
大阪府、兵庫県
奈良県、和歌山県 |
岡山県、鳥取県
徳島県、香川県
愛知県、高知県 |
広島県、島根県
山口県、福岡県
佐賀県、長崎県
熊本県、大分県
宮崎県、鹿児島県
沖縄県 |
|
|
7.登録料及び管理費 |
1件当たり
組合員 員外
登録料(登録時のみ) 10,000円 30,000円
管理費(年間) 12,000円 36,000円
(管理費は、地区組合毎に異なる場合があります。)
A、B2種類の番号使用の場合は、2件となります。
|
8.契約期間等 |
契約期間は基本的に3年間ですが、中途契約の場合は、従前の契約者と終期を合わせます。
以降、3年毎の契約更新(ただし、1年分の管理費前納が必要です。)
管理費は、契約更新時に必要に応じて改定することがあります。 |
|
9.問い合わせ |
日被連番号に関する詳しいお問い合わせは、各地区組合へ電話にてお願いいたします。 |
|
このページのトップへ |
|
革又は合成(人工)皮革を一部使用した衣料品も品質表示規程に基づき、適正な品質表示をしなければなりません
これは、平成11年10月より施行された繊維製品品質表示規程及び雑貨工業品品質表示規程によるものです。
|
|
◆対象となるもの◆
革又は合成皮革を製品の全部又は一部に使用して製造した上衣、ズボン、スカート、ドレス、コート及び
プルオーバー、カーディガンその他セーター類です。
|
◆表示事項◆
|
1)材料の種類 |
|
材 料 の 種 類 |
用 語 |
革 |
牛の革 |
牛革 |
羊又はやぎの革 |
羊革 |
鹿の革 |
鹿革 |
豚の革 |
豚革 |
馬の革 |
馬革 |
その他の革 |
通称の用語 |
合成皮革 |
基材が特殊不織布以外のもの |
合成皮革 |
基材が特殊不織布のもの |
人工皮革 |
|
2)取扱い上の注意
@色落ち、硬化又は劣化に関する注意事項
A保存、手入れ方法に関する注意事項
Bアイロン掛けに関する注意事項 |
|
>
3)表示者名及び連絡先
表示者名及び住所又は電話番号を付記する。 |
|
|
雑貨工業品品質表示規程では、革又は合成皮革が表地の一部に使用されると使用された表面積の大小に
よらず表示の義務が発生します。
従って、革(又は合成皮革)ラベルを付けたジーンズ類は表示が必要です。
|
|
1)表示事項及び付記事項
@繊維製品品質表示規程により表示を行った場合、革(又は合成皮革)の「取扱い上の注意」は法律的に
規定されていないので表示しなくてもかまいません。
Aただし、ドライクリーニングによって色落ち、硬化、劣化が懸念される材質については、取扱い絵表示に
を表示するとか、大きな革ラベルを使用した場合は「革部分のアイロンはお避け下さい」の付記用語を
入れれば消費者に親切です。
2)表示場所及び表示方法
繊維製品品質表示規程では「需要者の見やすい箇所に見やすいように表示すること」と特別に形態を定め
ていません。
しかし、「取扱い絵表示」に関しては「容易に取れない方法で繊維製品に取り付ける」こととなっています。
|
|
3)表示例(推奨表示例) |
縫い付けラベル 下げ札 |
|
+ |
|
|
●縫い付けラベルに綿 100% 革ラベル 牛革と表示し、下げ札に綿 100%と表示したり、又この
逆の表示をすることは表示の不一致となり、消費者の混乱を招くことになりますので、お避けください。
|